今週の注目:
✨Salesforce、AI導入で2025年のエンジニア採用を見送り
✨Amazon、消費者当局に対し第三者製品のリコール責任を巡る訴訟
✨Baidu、DeepSeek-R1超えのマルチモーダルAI「ERNIE 4.5」と「ERNIE X1」を発表
1、Salesforce
AI導入で2025年のエンジニア採用を見送り
Salesforceのマーク・ベニオフCEOは、同社のAI製品「Agentforce」の導入により、2025年度はエンジニアを新規採用しないと発表した。
Agentforceは顧客対応やマーケティング最適化を自動化するAIツールで、2025年2月の決算発表で契約数が半年で5000件を超えたと報告。Fortune 100のランキング入りの企業のほぼ半数がSalesforceのAI製品を活用しており、高い業務効率化を実現しているという。
同社は2023年に7000人、2025年には1000人の人員削減を実施する一方、2024年にはAgentforceの営業担当を1000人採用。AI活用が人材戦略に大きな影響を与えている。
情報源:https://www.theregister.com/2025/02/27/salesforce_misses_revenue_guidance/
2、画像編集ソフト
GIMP 3.0が7年ぶりにリリース、GTK 3対応や非破壊フィルターを搭載
2025年3月16日、オープンソースの画像編集ソフト「GIMP」のバージョン3.0がリリースされた。GIMP 2.10以来、7年ぶりのメジャーアップデートとなる。
主な変更点として、GUIライブラリがGTK 3に更新され、Wayland対応や高DPI環境でのUIスケーリングが向上。また、新機能として「非破壊フィルター(NDEフィルター)」が追加され、編集内容を個別に保存・調整できるようになった。
GIMPは1996年に登場し、無料で使えるクロスプラットフォームの画像編集ツールとして広く支持されている。
情報源:https://www.gimp.org/news/2025/03/16/gimp-3-0-released/
3、Google
次世代TPU開発でMediaTekと提携—コスト削減を狙う
Googleが開発する機械学習向けチップ「Tensor Processing Units(TPU)」の第7世代について、台湾のMediaTekが開発を担うことが報じられた。
GoogleはこれまでBroadcomと提携してTPUを開発してきたが、MediaTekはTSMCとの強い関係を活かし、より低コストで提供できることが選定の理由とされる。ただし、GoogleはBroadcomとの関係を完全に解消するわけではない。
TPUはGoogle検索やYouTubeなどの主要サービスを支えるAI処理に不可欠なチップであり、次世代TPUの開発はGoogleのAI戦略において重要な動きとなる。
情報源:https://gigazine.net/news/20250318-google-tpu-7th-mediatek/
4、Amazon
消費者当局に対し第三者製品のリコール責任を巡る訴訟
Amazonは、アメリカ消費者製品安全委員会(CPSC)が第三者販売者が取り扱う製品についてもリコール責任があるとしたことに反発し、2025年3月14日に訴訟を提起した。
CPSCは、Amazonが販売する製品に危険がある場合、リコールや消費者への通知を行うべきだと指摘。特に一酸化炭素検知器や子ども用寝間着などの製品に関するリコールを求めた。これに対して、Amazonは自社は物流プロバイダーであり、販売業者ではないため、リコールに関する責任はないと主張しています。
情報源:https://gigazine.net/news/20250318-amazon-sues-cpsc/
5、AI企業Cohere
2つのGPUでGPT-4o超えの性能を実現する「Command A」を発表
AI企業Cohereは、2025年3月13日に新しい生成AIモデル「Command A」を発表した。Command Aは、GPT-4oやDeepSeek-V3と同等以上のパフォーマンスを発揮しながら、わずか2つのGPUで動作する高い効率性を誇る。これにより、従来32個ものGPUを必要とするモデルに比べ、大幅なコスト削減が可能となる。
Command Aは、ビジネス向けに最適化されており、特にエージェントタスクや多言語タスクに強みを持つ。最大156トークン毎秒の処理速度を誇り、GPT-4oの1.75倍、DeepSeek-V3の2.4倍の速度で動作する。さらに、256kトークンのコンテキストウィンドウを持ち、膨大な量のデータを一度に処理できる。
また、Command Aは英語や日本語を含む23の言語で優れたパフォーマンスを発揮し、企業のグローバルなニーズにも対応可能だ。
6、Baidu
DeepSeek-R1超えのマルチモーダルAI「ERNIE 4.5」と「ERNIE X1」を発表
Baiduは、2025年3月16日に新たなマルチモーダルAIモデル「ERNIE 4.5」と「ERNIE X1」を発表した。ERNIE X1は、DeepSeek-R1と同等のパフォーマンスを持ちながら、コストは半分で提供されるとのこと。ERNIE 4.5は、テキスト、画像、音声、映像を統合して理解でき、強力な知能と文脈認識力を備えており、インターネットミームや風刺漫画も簡単に理解できる。
また、ERNIE X1は、Baidu初の「ツール使用が可能なマルチモーダル深層思考推論モデル」で、中国語のQ&Aや文学創作、論理的推論、複雑な計算に優れている。Baiduによると、これらのモデルは低価格で法人向けに提供されている。
7、アメリカ
中国への関税措置でSHEINとTemuの売上が激減
ドナルド・トランプ大統領は2025年2月1日、中国からの800ドル以下の小包に対する関税免除を停止するを発表した。これにより、SHEINやTemuなどの低価格ECプラットフォームが大きな影響を受けていた。
Bloomberg Second Measureの調査によると、関税措置発表後の5日間でSHEINの売上は16~41%、Temuは最大32%減少。これはクリスマス後の売上減少と同程度だが、1月下旬の成長傾向を反転させる結果となった。
さらに、米国政府は中国に対し10%の追加関税を発動。この措置により、SHEINやTemuに加え、Alibabaなどの中国系EC企業にも影響が及ぶ可能性がある。今後の米中関係の動向と、消費者・企業への影響が注目される。
情報源:https://gigazine.net/news/20250213-temu-shein-sales-drop-trump-china/